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投資初心者の頃に投資情報を鵜呑みにして家を買える金額を失った話です。 まだブログやYouTubeが世間でまだ流行っていなかった時代。 個人投資家の間で株のデイトレードなど短期売買が人気だった2006年に投資を始めるため投資講座に入会しました。 金融トレードといえば現在でも多くの人がテクニカル手法を最初に勉強しています。私もその一人でした。 当時は資産を1億以上に増やした「億トレーダー」が続々と誕生しました。今でいう「億り人」ですね。それを見た私は1日でも早く稼ぎ投資で成功したい思いで、投資講座では半年間1日も遊びに出かけず毎日何時間も必死に勉強しました。 その甲斐もあり短期売買を初めて行うと利益が出てとても嬉しかったことを今でも覚えています。 その後しばらくはトレードの調子が良い日々が続きました。しかし、調子が良かった時期の金融市場は誰でも利益を出しやすい難易度の低い状態だったんですね。 初心者で20代だった私はそれを自分の実力と勘違いして徐々にメンタルの制御が乱れ始め人生が狂う悲劇に繋がります。 2007年になると初心者でもわかるほど相場の雰囲気が変わり流れが変わりました。 私は当然徐々に損失が出る日が多くなります。 しかし世間や私の先生は株はまだ上がる余地がある!為替レートは今の抵抗ラインを抜けたら1ドル127円いく!など強気の情報で溢れていました。 その年の夏、後の大事件リーマンショックへ発展するサブプライム問題が発生しました。悲劇の始まりの扉が開き運悪く愚かな私は悲劇への第一歩を踏み入れてしまいます。 週単位、月単位でトレードの損失が続き損失額も増えていきました。同時に損失を確定したくない愚かな感情も強くなりました。 含み損が出ても見なかったことにしたり、先生や世間の皆がまだ上がると言っている言葉にすがる思いで信じて含み損を放置し続けました。また負けず嫌いな性格が仇になり損失を取り戻そうとして1度のトレード資金を増やす愚かなこともしていました。 しかし、トレードをすればするほど含み損が膨らむばかりで、とどめの一撃のようにリーマンショックが起こります。 私の含み損は急速に大きくなり、一週間でマイナス400万円、翌週はさらにマイナス400万円……。追証を回避するために貯金も投入して毎週毎月、大きな損失を繰り返し合計で3000万円を失いました。 私の視界には絶望しかなく、資産と彼女を失い人生が壊れました。そして何年も人生が狂い乱れ続けました。 当時の悲壮感、絶望感を今でも忘れずに覚えています。 初心者の頃は少額で投資を続けていればと、とても後悔しています。 同時にもし少額で投資を続けたり、リーマンショックが起きていなかったら自分の人生はどうなっていたのだろうか、と考えることもあります。 投資の大失敗はとても辛い経験でしたが、良い教訓になりました。その後は今でも周囲の言葉に振り回されることはなく、どんなに時間がかかっても遠回りになってもいいからという気持ちで投資に限らず他分野でも独学で勉強するようになりました。 自分で情報収集をし、自分の頭で分析をし、自分の頭で考え、維持を張らずに最適な決断をする、ことを心がけています。
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